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FCC宇宙近代化シリーズ:FCC、新たな全国的非サイト指定枠組みにより地球局ライセンス制度を刷新

米国連邦通信委員会(FCC)による宇宙関連規則の刷新は、宇宙局にとどまらず、その地上側の対応施設である地球局にも及んでいます。地球局は、衛星と地上ネットワーク、利用者および各種インフラとを接続するものであり、宇宙エコシステムの不可欠な構成要素です。本GTアラートは、FCCの「21世紀のための宇宙近代化に関するレポート・アンド・オーダー(以下「R&O」)」を検証する本シリーズの続編であり、地球局のライセンス取得および設置に関する改革に焦点を当てます。具体的には、個々の設置場所ごとにライセンス取得を求める従来の手続を見直し、事業者が適法な設備をより迅速に運用開始できるようにするための措置を取り上げます。R&Oに関するさらなる分析については、本シリーズの過去のアラートをご参照ください。

新たな制度枠組みでは、認証に基づく申請、全国的非サイト指定ライセンス、簡素化された設置場所登録、および申請審査中の段階であっても柔軟に運用を開始できる仕組みが組み合わされています。これらの改革は全体として、事業者がゲートウェイその他の固定施設をますます大規模に展開する中で、地球局ライセンス制度の拡張性を高めることを目的としています。

サイト単位のライセンス制度から二段階方式への移行

FCCによる地球局制度改革の中核をなすのは、「固定設置型地球局(Immovable earth station)」を対象とする新たな「全国的非サイト指定ライセンス(Nationwide, Non-Site License)」の導入です。固定設置型地球局とは、超小型開口端末(VSAT)、ユーザー端末1、移動体設置地球局(Earth Stations in Motion)、宇宙機器による補完的カバレッジ(Supplemental Coverage from Space Devices)、または移動型地球局(Mobile Earth Terminals)を除く地球局であって、「全国的非サイト指定ライセンスに基づき登録されているか、またはサイト指定向けのライセンスを取得し、かつ、固定された場所に設置されている地球局」を指します。

新たな枠組みの下では、固定設置型地球局の事業者は、技術的に類似する施設ごとに個別の完全なライセンスを取得する必要がなくなります。その代わりに、ライセンス取得手続は、以下の二段階で行われることになります。

  • 第一段階:まず、事業者は、自社の地球局が運用される際の共通の技術的および運用上のパラメータを定める全国的非サイト指定ライセンスを取得します。
  • 第二段階:次に、実際に施設を設置する際に、事業者は当該ライセンスの下で個々のサイト(設置場所)を登録します。

全国的非サイト指定ライセンスは、特定の場所における運用を許可するものではなく、共通の運用許容範囲2を定めるものです。FCCは、この運用許容範囲には、周波数帯、許可された通信相手先、電力レベル、帯域外放射、軸外放射制限、アンテナの種類などのパラメータが含まれることを想定しています。その後、各サイトの登録においては、サイトの座標、アンテナの数、(該当する場合)アンテナの高さ、および周波数帯固有の規則により求められる証明事項などの、設置場所固有の情報が提供されることになります3。

FCCは、全国的非サイト指定ライセンスを、連邦帯域および商業共有帯域を含むすべての周波数帯に適用される暫定的な「デフォルト登録規則」と位置付けています。他方でFCCは、今後の規則制定手続において、特定の周波数帯ごとに地球局の認可をより効率的に行う方法を検討していく中で、このデフォルト登録規則から離れることも想定しています。

FCCは、全国的非サイト指定ライセンスと包括ライセンスとを明確に区別しており、後者については「固定設置型地球局の定義に該当しないあらゆる種類の地球局について用いることができる」と説明しています。全国的非サイト指定ライセンスは、当該ライセンスに基づいてサイトが登録されるまでいかなる運用上の権限も付与しないのに対し、包括ライセンスは、免許が発給された時点で、当該ライセンスが対象とする種類の地球局について運用上の権限を付与します。また、FCCは、新たに「固定設置型地球局(Immovable earth station)」という区分を設けるにあたり、既存の「固定地球局(Fixed Earth Station)」の定義を廃止することを見送りました。その理由としてFCCは、これら2つの用語は異なる目的を有するものであると説明しました。FCCが指摘するとおり、VSAT、ユーザー端末その他の包括ライセンスに基づく地球局であって、固定衛星業務において運用されるものの固定設置型地球局には該当しないものについても、固定衛星業務で運用され、かつ固定された場所での運用が予定されている場合には、固定地球局とみなされる可能性があります。

重要なのは、新たな全国的非サイト指定ライセンス制度は、既存の周波数調整要件を廃止するものではないという点です。全国的非サイト指定ライセンスに基づいて登録されたサイトは、引き続き、適用されるすべての周波数固有および設置場所固有の保護要件を満たさなければなりません。共有帯域においては、登録者は、必要な調整手続を完了し、適用される規則への適合を証明するために必要な情報を提供するまでは、原則として保護を受ける形での運用を開始することはできません。FCCは、この新たな制度枠組みの目的はライセンス手続を効率化することにあり、周波数調整要件や干渉防止要件を回避する手段を提供するものではないことを強調しています。

登録による優先権の確立および従来の意見提出手続の代替

FCCはまた、個々のサイトが全国的非サイト指定ライセンスの下で保護を受ける手続についても簡素化を図りました。サイト登録については、ライセンス申請に通常適用される公開通知および意見提出手続(public notice and pleading cycle)の対象とはなりません。その代わりに、FCCの宇宙局(Space Bureau)は登録記録を管理し、毎週公表される公開通知の一部として、前週に登録されたサイトの一覧を公表します。この一覧には、サイトの所在地および関連する全国的非サイト指定ライセンスのファイル番号が記載されます。この仕組みにより、既存事業者および影響を受ける可能性のある事業者は、個々のサイトごとに個別のライセンス手続を経ることなく、新たな設備展開状況を把握することができます。

また、この制度枠組みでは、重要な運用開始要件を伴う新たな「先登録優先(first-in-time priority)」制度も確立されています。優先権はサイトが登録された時点で発生しますが、その効力維持については、登録者が登録から1年以内に運用を開始することを条件としています。FCCは、事業者が実際に施設を展開しないまま優先権のみ確保することを防止するため、純粋な先願主義(first-to-file)は採用しませんでした。この新たな制度枠組みは、登録に基づく優先権の確実性と、実際の設備展開を求める建設要件とを組み合わせたものとなっています。

さらに、同制度は、後発の登録者が、先発の登録者が運用を開始する前に、当該場所での展開(設備設置)を試みる場合の取扱いについても定めています。後発の登録者は、他の当事者が先にそのサイトを登録したというだけの理由で、施設の建設・運用を一律に禁止されるわけではありません。もっとも、先発の登録者が必要な周波数調整を完了し、かつ1年以内に運用を開始した場合には、後発の登録者は、当該先発の施設を保護し、その施設と調整を行わなければなりません。ただし、この調整手続が行われている期間中も、後発の登録者は、他のシステムに有害な干渉を与えないことを条件として、かつ干渉保護を受けない形で、運用を継続することができます。FCCは、このようなハイブリッド型の制度設計について、優先権が展開を阻害する手段となることを防止しつつ、実際に施設を建設・運用する事業者に対して実効的な保護を与えることを目的としていると説明しています。

STAへの依存の軽減

FCCによる改革はまた、地球局事業者にとって長年の遅延要因となっていた問題、すなわち、恒久的なライセンス申請の審査中に特別暫定許可(Special Temporary Authority、STA)を取得しなければならないという状況にも対処しています。

新たな制度の下では、一部の地球局申請者は、FCCによる認可を待つことなく、申請が公開通知に掲載された時点で、干渉を与えないことを条件とし、かつ干渉保護を受けない形で運用を開始することができます。この仕組みは、申請者が規則の適用免除を必要とせず、連邦政府との共有周波数帯ではない周波数帯で運用を行い、かつ既に承認済みのForm 312(メインフォーム)を保有している場合に利用することができます。申請者はまた、運用を開始する前に、該当する周波数調整を完了していなければなりません。他方で、有効な承認済みのForm 312を保有していない申請者、または規則の適用免除を求める申請者は、原則として、この早期運用制度の仕組みを利用することができず、FCCによる認可を待たなければなりません。

この改革は、実質的に、一定の定型的な地球局申請について、STA制度に代わる仕組みを創設するものです。従来は、申請から正式認可までの期間に運用を開始するためには、事業者は別途STAの取得を申請する必要がありました。しかし新制度では、要件を満たす申請者は、申請が公開通知段階に入った時点で、規則に適合した運用を開始することが可能となります。


1 R&Oにおいて、FCCは「ユーザー端末(User Terminal)」を正式には定義していません。その代わりに、同用語は「固定衛星業務において運用され、固定設置型地球局または移動体設置地球局のいずれの定義にも該当せず、顧客による利用を目的とし、包括ライセンスに基づいて認可される地球局」を指すと説明されています。

2 全国的非サイト指定ライセンスに基づいて登録されたサイトは、当該全国的非サイト指定ライセンスで定められたパラメータの運用許容範囲でのみ運用することが認められます。事業者がその範囲を超える仕様の地球局を設置しようとする場合には、全国的非サイト指定ライセンス自体を修正して全ての登録済みのパラメータを変更するか、または当該サイトについて個別の固定設置型地球局ライセンス(site-specific Immovable earth station license)を申請しなければなりません。

3 米国周波数割当表(U.S. Table of Frequency Allocations)に関するものを除き、規則の適用免除を必要とするサイトについては、全国的非サイト指定ライセンスに基づく登録を行うことは認められません。