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要点ガイド:
  • 2026年6月29日より、米国税関・国境警備局(CBP)は、CAPE(輸入申告の統合管理・処理ポータル)の機能を拡張し、従来はCAPEで受け付けられていなかった照合対象の申告のうち、照合申告が未提出の申告を新たに受け付けます。これにより、CBPの照合プログラムを利用している輸入業者にとって、IEEPA関税還付の申請機会が拡大します。

  • CBPは、デミニミス免除をすべての輸入形態で期限を定めず停止する2件の暫定規則を公表しました。郵便以外の貨物については即時発効され、郵便貨物向けの新たな簡易申告手続きは2026年7月24日に施行されます。

  • 米国通商代表部(USTR)は、ドイツの医薬品価格制度に関する301条調査を開始しました。これにより、ドイツからの輸入品に対する関税が引き上げられる可能性があります。

 

CBPIEEPA 関税の還付に向けCAPEを拡張

IEEPA関税の還付に向けた手続拡張の一環として、CBPは2026年6月23日にCSMS #69035485を公表し、従来はCAPEで受け付けられていなかった照合対象申告について、6月29日より新たにCAPEでの申告を可能としました。

新機能では、照合対象として指定された申告タイプ01、02、および06がCAPEで受け付けられます。ただし、未清算であるか、清算から80日以内であるという既存の条件が引き続き適用されます。CAPEで受理された申告については、輸入業者は照合申告を行うことが可能です。CAPEでは、照合前に当該申告からIEEPA関税が除外され、IEEPA還付額の算定は照合申告の計算とは別に行なわれます。照合申告を提出した後は、当該申告について本フェーズにおいてCAPEを再度利用することはできません。

CBPによれば、すでに照合申告が提出されている申告は今回のCAPEの対象外であり、今後のCAPEフェーズで対応される予定です。一方で、照合申告の期限が迫っている場合(特に30日以内)は、将来の対応を待たずに、照合申告の提出を優先するようCBPは勧めています。

CBP、デミニミス免除を全ての輸入形態で無期限停止

2026年6月24日、CBPはデミニミス免除(19 U.S.C. 1321(a)(2)(C))をすべての輸入形態で無期限に停止するとともに、郵便貨物について新たな申告手続を設ける2件の暫定最終規則を公表しました。これらの規則は、2025年8月29日以降、大統領令により実施されてきたデミニミス免除の停止措置を規則として正式に位置づけるものであり、2027年7月1日に施行予定の「One Big Beautiful Bill Act」による免除制度の廃止を補完するものです。

郵便以外の貨物(CBP Dec. 26-12

2026年6月24日より、800ドル以下の物品のうち、国際郵便ネットワーク以外で到着するものについては、デミニミス免除が無期限に停止されます。該当する貨物は所定の申告手続きを経る必要があります。なお、2,500ドル以下の貨物については、簡易申告のうち申告タイプ11が主に用いられます。これらの規則については意見公募が実施されており、提出期限は2026年7月24日となっています。

郵便貨物(CBP Dec. 26-13

郵便貨物に対するデミニミス免除の停止は2026年7月24日に施行されますが、パートナー政府機関(PGA)要件対象品目やHTSUS第98章・第99章に該当する品目など一部カテゴリーについては、適用開始が2026年10月22日まで猶予されます。

新たな郵便手続では、申告者は貨物到着の翌月7日までに必要な貨物データ(10桁のHTSUS分類、原産国、関税率、価格、納付関税額)をメールで提出し、同期限までにPay.govで支払いを行う必要があります。今後は、申告者は通関業者、荷主または購入者に限られます。従来の大統領令に基づく暫定手続のもとで国際郵便関税の申告用ワークシートを提出していた通関業者以外の者は、今後は同様の手続を行うことができません。また、新たな郵便手続では、すべての簡易申告において輸入・申告保証が求められます。セクション201、232、301関税や、アンチダンピング・相殺関税命令の対象品目、ならびにPGA要件の対象品目については、猶予期間終了後は正式申告を行う必要があります。

デミニミス免除を活用してきたEC小売業者、米国消費者向けに直接販売を行う海外製造業者、マーケットプレイス運営者は、速やかなコンプライアンス対応が必要です。郵便貨物・郵便以外の貨物に関する意見提出期限はいずれも2026年7月24日です。

ドイツの医薬品価格制度について、USTRが301条調査を開始

2026年6月18日、米国通商代表ジェイミソン・グリア氏は、ドイツの医薬品価格制度により革新的医薬品の価格が継続的に低く抑えられている点について、301条調査を開始しました。

この調査では、ドイツの医薬品価格制度が、1974年通商法301条の意味において、米国の商業に不当な負担や制限をもたらす不合理または差別的な慣行に該当するかどうかが検討されます。USTRが注目するのは以下の通りです。

  • 9%の値引きおよび追加の管理費用の受け入れと引き換えにメーカーの交渉薬価の機密を保持することを認めるドイツの制度
  • 2026年にドイツ保健省が提出した法案(特許薬に対して2027年上半期から5%の強制リベートを課し、その後は変動レートに移行し、業界予測では2030年までに最大20%に達する可能性がある)

USTRは、通商法303(a)条に基づき、ドイツ政府との協議を要請しています。ドイツの制度が問題であると判断された場合、関税引き上げやその他の非関税措置が講じられる可能性があります。

書面による意見提出期限は2026年8月10日、公聴会はワシントンD.C.の米国国際貿易委員会にて2026年9月22日に開催されます。証言要請(証言概要を含む)は8月10日までに提出する必要があります。

本調査は、現政権による医薬品価格制度に関する通商措置のなかでも特に重要性が高く、米EU間の貿易関係への影響が想定されます。