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USTR、ブラジルに対する通商法301条関税を発表 新たな25%の追加関税が7月22日に発効

2026年7月15日、米国通商代表部(以下「USTR」)は、1974年通商法301条に基づくブラジルの政策・慣行に関する調査結果を発表し、特定の同国製品に対する25%の追加関税措置を公表しました。この措置は2026年7月22日に発効します。本措置は、2026年2月にIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく関税が無効とされて以降、初の本格的な特定国を対象とする通商法301条関税措置です。

新たな関税は非常に多くの品目を対象としますが、農産品、航空宇宙、医薬品、エネルギー、および産業用製品などについては広範な適用除外が設けられており、その詳細はUSTR公表資料の別紙Iに記載されています。また、既に通商拡大法232条に基づく関税の対象となっている製品を明示的に除外しており、これは政権が232条と301条を併用しながら通商政策を進めていく姿勢を示唆しています。

背景

USTRは、デジタル貿易制限、電子決済サービス、知的財産保護、汚職防止措置の執行、エタノール市場へのアクセス、森林破壊などに関するブラジルの政策・慣行について調査を実施しており、今回の関税措置はその調査結果を受けて導入されたものです。米政権によると、ブラジルとの交渉は1年以上にわたり続けられてきましたが、調査で指摘された問題の解決には至らなかったと説明しています。USTRは、ブラジルがこうした問題に対処するまで、当該関税措置を維持するとしています。

新たな関税措置の内容

対象製品には、新設されたHTSUS(米国輸入関税分類表)の分類番号9903.05.01の下で25%の追加関税が課されます。この追加関税は、既存の関税に上乗せされるものです。さらに、USTRが行った強制労働に関する別途の調査結果によっては、一部のブラジル産品に対してさらに12.5%の関税が課される可能性があります。その場合、対象品目にかかる追加関税は最大37.5%に達します。

今回の措置では、既に232条措置の対象となっている製品は除外されています。これには、鉄鋼、アルミニウム、銅、自動車、中大型トラック、半導体、特定の木材製品のほか、将来的に232条措置の対象となる医薬品が含まれます。

加えて、オレンジおよびオレンジジュース、牛肉、コーヒーおよび特定のコーヒー製品、民間航空機、ジェットエンジンおよび航空宇宙部品、特定のエネルギー製品、各種医薬品および医薬品原料、人道支援物資、ならびに情報資料といった、幅広い品目についても適用除外が設けられています。

また、パブリックコメントを踏まえ、USTRは適用除外リストをさらに拡大し、銑鉄、有機はちみつ、特定の水産物、貴金属含有材料、特定の木材製品、骨董品、美術品・収集品、古着、鉄鋼くず、水酸化アルミニウム、特定の皮革・毛皮類、および無香料インスタントコーヒーなどを適用除外品として追加しました。一方で、USTRは、高純度溶解パルプや、医薬品用途以外のセルロースおよびリン脂質アミノ化合物などについては、最終的な適用除外対象には含めませんでした。

輸送中貨物の適用除外

USTRは、追加関税の発効日以前に米国向けに輸送中であった貨物について、限定的な「輸送中(goods on the water)」の適用除外を設けました。この適用除外の対象となるためには、貨物が7月22日より前に積み込まれ輸送中であったことに加え、定められた移行期間内に米国へ到着する必要があります。この措置は、移行期間中の輸入における関税負担の軽減につながる可能性があることから、現在輸送中の貨物がある輸入業者は、当該適用除外の対象となるかどうかを確認することが望まれます。

重要なポイント

ブラジル製品を米国に輸入する企業は、自社の輸入品について以下を検討することが推奨されます。

  • 追加関税の対象となるか、適用除外の対象となるかを製品ごとに精査するとともに、既存の232条関税との適用関係を把握すること
  • 輸送中貨物の適用除外の対象となるかを確認すること
  • 新たな関税が調達戦略に与える影響や、関税控除その他の軽減策の活用可能性を評価すること

また、2026年後半にかけては301条に基づく追加措置が導入される可能性もあることから、輸入業者はUSTRの今後の発表を注視することが望まれます。